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1月14日になると思い出す「14日のもぐらうち」という子供の行事がある。 |
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疎開先の田舎の男の子達の行事だ。
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兄たちはその土地の友人に誘われて参加することにした。 |
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下校と同時に近くの山に行って、竹を取ってきて道具を作る。 |
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2メートル位の竹の先に、木や笹などの音の出る物を取り付ける。 |
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それを振り下ろすとパタン!パタン!と音がする道具。
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その頃はお正月と言っても、お餅は店で売っている訳もなく、何軒か集まってお餅をついていた。 まだ終戦直後でお餅もつけない家もあった。 |
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そういう時代の子供の行事だ~。 |
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日が暮れて子供達が動き出す。実は私は幼いし女の子ということで、参加する資格はなかったが、勤めている母がまだ帰宅してなくて、一人で置けないので、
「分け前はなかばってん、ついてきてよか!」とリーダーのお許しがあり、
兄たちに遅れながらも必死についてまわった・・・
1グループは7~8人で構成されている(その頃の子供の数は多かった) |
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ある家の玄関先に、足を忍ばせていく。リーダーの合図で一斉に言うのだ。 |
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じゅうよっか(14日)~の! もぐらうち! |
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カビのはえた餅いっちょ! |
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餅の無かなら銭1文! |
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これを2~3回言いながら、昼間作った竹の道具を地面に叩きつけ大声で叫ぶのである。すると家の中からお母さんなど大人が出てきて、
餅だっタリ、 お金だったり、ふかし芋だったり、みかん、干し柿などをもらうのだ。
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だけど、子供達に分けてあげられない家では早くから雨戸を閉め、玄関もしっかり閉めて明かりも消して、子嵐の過ぎるのを待つ。
それでも子供達は同じように、 |
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じゅうよっか~の!もぐらうち! と叫ぶ。 |
貰えないとわかると、最後に次のようにさけぶ!。 |
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も~ち~くれん~かかぁ~は~(餅をくれないお母さん)
鬼のような~子をもってぇ~!という悪態で、わぁぁぁぁぁ~と一斉に逃げ出す! |
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10軒位まわって終わり。リーダーから平等?に分けて貰ってお開きになる。 |
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大きい子の後ろから置いていかれないように一生懸命に走りついて回った私には、ハンパに残ったお餅(黄色と青色のカビ付き)がご褒美に渡された! (笑) |
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